2018.12.16更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
めっきり寒くなってきましたね。

 

さて,離婚事件を扱っていると,離婚が認められるのか,認められないのかという判断には悩まされることが少なくありません。
実際,離婚事件の方針を決めるためには,まずここを検討していかなくてはなりませんから,離婚が認められるのか,認められないのかという判断は非常に重要です。

 

以下では,当職の印象として,有責配偶者の問題が生じない離婚事件についての裁判所の傾向を書いていきます。

 

1 別居期間
離婚事件において一番重要なのは別居期間ですが,どの程度の別居期間があれば離婚ができるのかはケースバイケースと言わざるを得ません。
ネット上では5年経てば離婚が認められるといった話もあるようです。
ただ,私の感覚では,有責性の問題がない事案であれば,離婚が認められるために必要な別居期間はもう少し短いと感じています。
同居期間が5年間より短い場合はもちろんのこと,数十年に及ぶ熟年離婚のケースでも同じことが言えます(ただし,前者よりは後者の方が当然,離婚に必要な別居期間は長くなります。)。

 

2子供の有無,子供の年齢
また,私の感覚では,お子さんがいるかどうか,お子さんの年齢というのも重要な要素です。
離婚の一番の被害者は子供とよく言われますから,裁判所においても,離婚がお子さんに与える影響というのは特に重視されます。

 

その他にも,離婚原因等の他の要素ももちろん考慮されるのですが,裁判所が重視しているのは,ほぼ間違いなく,1別居期間と2子供の有無,子供の年齢です。

 

3 男性からの離婚請求と女性からの離婚請求
男性からの離婚と女性からの離婚でも差があることは間違いありません。女性からの離婚であれば,離婚認容に対する裁判所の判断はかなり緩いと感じています。
男性からの離婚のほうが,(しかも,経済力がある男性であればなおのこと),大変ですね。

 

4 第1審と控訴審での離婚についての感触
また,第1審である家裁では離婚が認められなかったのに,控訴審では離婚が認められてしまうということもよくあります。
この点について,時間が経過し,別居期間が伸びたからということもあるのでしょうが,それだけでは説明できない部分があるように感じています。
家裁では1人の裁判官が判断するのに対して,控訴審では3人の裁判官の合議体だからということもあるのかもしれません。
個人的な意見ですが,数年単位で別居期間が長引いている夫婦が元に戻れる可能性があると感じる人は少ないのではないでしょうか。合議体の高裁のほうが,そういった一般人の方に近い感覚を抱きやすいのではないかと思います。


離婚が認められるのか,認められないのかについての雑駁な意見を書いてみました。
ただ,実際にはケースバイケースなので,相手方が離婚を拒否しているようなケースでは弁護士に相談されることがベストです。

 

離婚事件については,ぜひ一度,初回無料相談をご利用ください。
03-6380-4935
弁護士水野をご指名ください。
事前にご予約いただければ,土日の相談も可能です。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2017.03.01更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

久々に更新いたします。

離婚事件ではいくつか争点がありますが,一番もめるのはやはり財産分与です。

 

そこで,財産分与を少しでも有利に進めるコツをお話ししたいと思います。

 

1 何はさておき相手の財産を把握すること

相手方の財産が分からなければ,やみくもに財産分与を求めたいと思っても話が進みません。

よく,結婚していたときの収入からすれば,これだけの財産を蓄えることができたはずだ!!というお話を聞きます。

特に,男性の方で,奥さんに生活費を全部渡していたのだから,これだけ残っていなければおかしいというご主張がよくあります。

しかし,これだけで,財産分与を求めるのは難しいです。

財産分与は別居時に残っていた財産を寄与度に応じて分けるものですから,別居時に残っている財産であることが分からなければどうしようもありません。

 

そして,財産が残っているかどうかを調べることは,時間が経つにつれて困難になります。

一番確実なのは,同居中に調べておくことなので,離婚準備の段階にあるのであれば,まずは相手の財産を把握することが肝心です。

この場合,預金については最低でも銀行名と支店名,株についても証券会社名くらいを把握しておくとよいです(これだけ把握しておけば,調査嘱託を使えばで調べることができます。)。

調べる方法が分からないという方は一度当職にご相談ください。ひょんなところから財産が分かるケースは非常に多くあります。

 

2 不動産については評価次第で大きく差が出ることを把握しておくこと

不動産が財産分与の対象となるケースは非常に多くありますが,不動産についてはいくらで評価すべきなのかが揉めることがとても多いです。

そのため,不動産の評価はあらかじめ入念に準備すべきです。

そして,財産分与においては,通常,不動産会社の査定書をもって評価することが一般的です。

 

当職は不動産会社の顧問もしておりますので,不動産の評価について工夫次第で有利に進めることもできますので一度ご相談ください。

なお,高く評価するよりも,安く評価することのほうが実は楽だったりします。そのため,不動産の財産分与を求められている夫側の場合には,専門家を入れたほうがいいケースが多いです。

 

3 寄与度での争いに持ち込むのは賢明でない

財産分与においては2分の1ルールが家事実務上確立しています。

そのため,通常のサラリーマン家庭などでは2分の1の寄与度を覆すことはまず無理です。

もっとも,なかには特異なケースもあり,2分の1ルールがそのまま適用されないケースもありますが,ほとんどのケースでは寄与度は2分の1と判断されます。

ですから,ここでの争いに持ち込むのは賢明ではありません。

 

4 マイナス財産(借金など)の扱い

借金が財産分与の対象となるかどうかはケースバイケースですが,通常,夫婦の日常生活に必要な分だけが財産分与の対象となります。

住宅ローンは典型的ですが,それ以外の借金について財産分与の対象とするのは実は容易ではありません。

経験上,財産分与に含まれる債務はある程度決まっているので,借金が財産分与に含まれるか悩まれている方は一度ご相談いただくとよいです。

 

5 財産がなくても扶養的財産分与の途はある

めぼしい財産が全くない,あってもオーバーローンの不動産くらいというケースでも,財産分与を求めることは可能です。

特に,専業主婦で幼い子供を抱えている方の場合には扶養的財産分与が認められるケースがあります。

あるいは難治性の病気を抱えているというケースでも認められたケースがあります。

 

6 分与方法も工夫次第

例えば,妻側で子供が大学を出るまで家に住み続けたいという場合,期間を限定した使用貸借権を設定するという方法があります。

これも一種の財産分与ですが,不動産の居住の確保のために財産分与を求める場合には,当事者以外の権利関係にも目を配る必要があるので専門家の関与が不可欠です。

 

財産分与で悩まれている方は,ぜひ一度,初回無料相談をご利用ください。
03-6380-4935
弁護士水野をご指名ください。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2016.07.23更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

先日,熟年再婚と相続の問題について取材を受けました。

 

相続の問題はいろいろな人の権利関係に影響を及ぼすものですが,熟年再婚の場合には特にその問題が大きくなります。

実際,遺産分割で後妻と前妻の子が対立するケースというのは非常に多いです。

また,後妻に連れ子がいる場合にはもっと複雑な問題が生じてきます。

相続問題で悩まれている方は是非ご参考にしてください。

 

取材記事はこちら→熟年再婚」に親族大反対! 相続を見据え、「連れ子」はどうしたらいい?

投稿者: 弁護士 水野 智之

2016.07.09更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
同性だからでしょうか。男性から離婚の相談を受けることが結構多いので、男性の離婚問題について書いてみます。

 

残念ながら男性は離婚事件では不利です

まず、身もふたもない話かもしれませんが、男性は離婚問題ではことのほか不利です。
たいていのケースではいかに早く離婚を成立させるか、いかに相手方への支払いを少なくできるかに注力することが多いです。しかも、この二つを両立させることはかなり困難を伴います。

 

不利な状況を挽回する方法はあります

ただし、離婚問題では必ず相手方にも何らかの非があります。その中で、利用できるものをうまく利用すれば、良い結果が生まれることは少なくありません。
ただ、この利用できるものかそうでないのかの判断は離婚事件に慣れていない当事者の方ではうまくできないようです。弁護士をつけていない夫側が的外れな主張をすることがよくあるのですが,家事実務を知っていればもう少しうまくやれたのにと思うこともあります。

 

離婚事件に強い弁護士を選びましょう

また,弁護士でも千差万別ですから,離婚事件を扱った件数の多い弁護士のほうが,圧倒的に有利な解決を引き出せます。
知り合いの弁護士に頼んだけど,なんだか頼りなくてと言われてご相談に来た方もよくいます。
離婚事件では,圧倒的に弁護士の経験値(しかも,離婚事件に関する経験値)が大事だと思っています。

 

私は男性側でも有利な結論を導いたことがあります

私が過去に扱った夫側の事例では,不貞まではしていない妻相手にも慰謝料請求を認めたケースもあります。
また,離婚に応じようとしない専業主婦(もちろん無職)の妻相手に短い別居期間で離婚を認めたケースもあります。

 

男性側で離婚事件に悩まれている方は,ぜひ一度,初回無料相談をご利用ください。
03-6380-4935
弁護士水野をご指名ください

 

以前書いたブログも参考にして下さい。
こちらをクリック→男性の離婚
こちらをクリック→離婚事件の弁護士費用

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.12.14更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

久々の更新となります。

 

最近は,交通事故事件の弁護士事務所の広告が目立ちますね。

当職も交通事故事件にはかなり力を入れております。

多くの事務所では,着手金は無料,報酬金は相手方から回収した金額から充てるというのが一般的です。

ただ,ここで気を付けたいのが弁護士報酬の部分です。

 

たいていの事務所では,弁護士報酬は回収額の何パーセントというように設定しています。

しかし,これだと,保険会社からすでに示談金の提示があるケースでも,すでに提示された金額について弁護士報酬が発生していることになるのです。

 

当職は提示額は含まず,原則として増額分の10%に弁護士報酬を抑えております。そのため,現在提示されている示談金については弁護士報酬は発生いたしません。

交通事故を扱う弁護士は多くいますが,どの弁護士に依頼されるか悩んでいる方は弁護士報酬にも注目されるとよいでしょう。

03-6380-4935

弁護士水野をご指名ください

 

こちらもクリック→交通事故事件の弁護士費用

こちらもクリック→遺産分割事件の弁護士費用で気を付けたいこと

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.11.19更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
離婚の相談で,養育費や生活費を払ってくれないというご相談は本当によくあります。
こうすれば確実だという方法はなかなかないのですが,それでも,法的な手続きをとった方がいい場合が多くあります。
特に給与取得者の場合は給料の差押が効果的です。一度差押をしてしまえば,その後,何度も差し押さえをするという手間がかかりません。

 

ただし,差し押さえをするには段取りを踏む必要があります。

まずは調停を起こし,調停をまとめるか,審判をもらったうえで,これら調停調書や審判書を債務名義として給料を差し押さえていくのです。

以前やった件では,給料の差押が相手方に打撃となって,慰謝料もこちらが望んでいた金額に近い金額を払ってもらうことができました。

 

離婚事件はやり方次第で,結果は大きく異なります。

離婚事件に詳しい当職に一度ご相談ください。
初回30分無料相談を行っております。
03-6380-4935
弁護士の水野をご指名ください。

 

こちらもクリック→養育費の支払いが滞りそうな相手に対処するには

こちらもクリック→離婚事件での財産保全の勧め

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.11.10更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
駐車車両に衝突した場合,衝突した車両の過失割合は通常100とされます。
ただ,いくつか修正要素が考えられます。例えば,違法駐車をしている場合どの程度修正されるでしょうか。

 

修正要素

 

視認不良
降雨や暗いところで視認不良の場合,駐車車両の発見が容易でない。-10から20

 

違法駐車
違法駐車の場合には通行を妨害し事故発生の危険を高めている。-10

 

駐車の態様
カーブの途中とか交差点の直近,坂道などでは発見が容易でなく,道路幅が狭いところで出は通行を妨害し事故発生の危険を高める。-10から20

 

非常点滅灯の不燈火
夜間の場合は非常点滅灯を点灯させるなどしなければならないので(道交法52条),警告措置をとっていないことは責められるべき。-10

 

駐車車両の著しい過失
単に駐車車両を放置していたような場合には,著しい過失がある。-10から20

 

退避不能のため駐車している場合
故障その他の理由でやむなく駐車している場合には退避することが物理上不可能なこともあるので,駐車車両を非難できない。+20

 

速度違反
15Km以上 +10 30Km以上 +20

 

衝突車両の著しい前方不注視 +10

 

交通事故の過失割合はある程度までは類型化されていますが,すべての事故態様を網羅しているわけではありません。
過失割合が問題となる場合には,過去の裁判例のち密な検証が不可欠です。
当職は過失割合についても幅広く精通しておりますので,ぜひ,無料相談をご利用ください。交通事故事件は着手金無料です。

こちらもクリック→交通事故事件の弁護士費用

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.11.08更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
以前も書きましたが,遺産分割で生命保険金が特定の相続人に支払われる場合,これを特別受益として考慮できないか問題となります。
この点についてもう少し詳しく書いてみます。


そもそも,死亡保険金は,受取人が自らの固有の権利として取得するものであって,保険契約者又は被保険者から承継取得するものではないので,相続財産には含まれないというのが基本的な考え方です。
そのため,原則として,死亡保険金は特別受益の対象となるものではなく,受取人と指定された相続人が自ら取得しても特別受益の対象として持ち戻しの対象となることはありません。


もっとも,この点について最高裁判例があり,共同相続人との間に生ずる不公平が到底是認することができないほど著しいと評価すべき特段の事情がある場合には特別受益に準じて持ち戻しの対象となると判断されています。
特段の事情の有無については保険金の金額,この額の遺産の総額に対する比率のほか,同居の有無,被相続人の介護等に対する貢献の度合などの保険金受取人である相続人の及び他の共同相続人と被相続人との関係,角相続人の生活実態等の初犯の事情を総合考慮して判断すべきとされています。

 

さて,遺産を一部の人にだけ多く渡したいという方の場合に法律上利用できる方法がひとつあります。

それが,生命保険金をうまく活用する方法です。
その方法については以前のブログに書きましたのでご参照ください。詳しくお知りになりたい方は一度当職までご相談ください。初回30分無料相談を実施しております。

 

クリックはこちら→生命保険金は特別受益となるか

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.10.29更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
今日は面会交流について書きます。
お子さんと別居を強いられている非監護親にとって,面会交流ができるかどうかは重大な事柄です。
そして,通常,裁判所は面会交流には積極的なので,調停を起こして面会交流が全く実現されないというケースは少ないです。

 

ただ,監護親はお子さんが会いたがっていないということを理由に面会交流を拒絶することがあります。
もっとも,お子さんが会いたがっていないのは監護親の影響によるところが大きいことも否めません。お子さんは監護親の顔色を窺い,非監護親と会っていることを快く思っているかどうか敏感に察知しています。そのため,お子さんの会いたくないという発言が真意から出たものかどうかはよく考えてみる必要があります。

 

一番重要なことは非監護親が面会交流に対して否定的な考えを持つことを避けることです。がこれはそうそう簡単ではありません。監護親は非監護親のことを快く思っていないからこそ,別居しているのだからです。

 

したがって,面会交流の実現には監護親に働きかけることができる第三者の存在,特に,弁護士を含めた周囲の人間の助力が不可欠です。私も面会交流についてはお子さんの利益になるという視点から監護親を説得することがよくあります。

 

ただ,一方で,非監護親も面会交流ができないと嘆くのではなく,監護親に面会交流を促すためにどうしたらお子さんのためになると分かってもらえるのかをよく考える必要もあります。

 

なお,お子さんの年齢が高いときは,お子さんが面会交流を拒否していることは,面会交流の禁止・制限事由にあたります。小学校高学年以上であればその意思は尊重されますし,中学生以上ならばその意思が重要な判断要素となります。

 

面会交流について悩まれている方は一度ご相談ください。
初回30分無料相談を行っています。
03-6380-4935
弁護士の水野をご指名ください。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.10.25更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
昨日,交通事故に関する講演会に参加しました。
これは当職も所属する日弁連交通事故相談センターが主催するもので,東京地方裁判所に所属する裁判官や著名な医師の講演が聞ける貴重な機会です。
弁護士や損害保険会社の担当者などしか参加できないものですが,一般の方にもいわゆる赤い本の下巻で講演録として後日出版されるますので,ぜひ,見ていただけると裁判所の考えがよくわかります。

 

さて,この中でも外傷性頸部症候群と言われる,いわゆるむち打ち損傷は交通事故で受傷するケースも多く,よく問題となる論点です。

 

ところで,整形外科医的常識からすると,単純な捻挫は3か月で治ります。したがって,保険会社側は診断書に頸椎捻挫とあることを根拠に,軽微な症状であるとして。休業損害や知旅費の打ち切りの方向に傾くことになります。そうではないことを打ち破る資料や根拠を被害者側の方で用意しなくてはなりません。

 

ひとつの方法としては,弁護士介入により,一定期間の休損の支払い延長と症状固定時期の明確化で示談解決をすることもありえます。交通事故に関する問題は,弁護士の介入が不可欠です。

 

交通事故事件の場合は着手金無料でお引き受けできますので,ぜひご相談ください。ほとんどのケースで弁護士報酬以上に示談金を得られるメリットがあります。

03-6380-4935

弁護士水野をご指名ください

 

こちらもクリック→交通事故事件の弁護士費用

こちらもクリック→非該当から14級や12級への等級認定への変更

投稿者: 弁護士 水野 智之

前へ