2015.02.27更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

交通事故の問題で,よくご相談を受ける内容として,事故からだいぶ時間が経ったので,保険会社から治療費や休業損害の内払いを打ち切ると言われたがどうしたらいいか,というものがあります。

特に,頸椎捻挫などの事案はだいたい3か月から6か月を目安に内払いを打ち切ると機械的に言ってくることが多いようです。

 

保険会社から打ち切ると言われると,被害者の方は,もう治療費や休業損害は払ってもらえないと諦めてしまうことが少なくありません。

しかし,ここで簡単にあきらめてはいけません。

医師が治療を必要と認めているのであれば,治療は継続することが必要です。

実際,保険会社は上記のように機械的に時間が経ったからという理由だけで,治療費の打ち切りを言ってくることが多いので,保険会社の言うことに従わずに治療を続ければ,治療費や休業損害を払ってくることもあります。

 

それでも,打ち切られてしまう可能性が高い場合には,とにかく,治療の継続の必要性があることを主張立証して,打ち切られないように交渉をしていく必要があります。

ただし,この交渉は,被害者の方ではなかなか難しいと思いますので,弁護士にご相談された方がいいと思います。

そして,実際に打ち切られてしまった場合でも,医師から治療の必要性が言われている場合には,健康保険などを使って治療を続けるべきです。保険会社の言うがままに,症状固定とすることだけは絶対に避けるべきです。

医師とよく話し合って必要な時期まで治療を続けることを強くお勧めします。

その上で,保険会社に対して,ご自身が負担した治療費を損害に加算して賠償請求していくことになります。

実際,医師が必要と認めている治療であれば,保険会社が否定することは困難なことが多いものです。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.25更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

今日は遺産分割の話題です。

遺産分割で問題となることというと,以前書いた使途不明金問題と並んで寄与分が挙げられます。

寄与分にはいくつかの類型があるのですが,今日はいわゆる療養看護型の寄与分について書いてみます。

 

療養看護型とは,分かりやすく言えば,相続人が被相続人の身の回りの世話を行なったことにより,付添い看護の費用の支出を免れさせるなどして,相続財産の維持に寄与した場合を言います。

こういわれると,私も身の回りの世話をしたのだから寄与分は認められるのではとお考えになる相続人の方は多いと思います。実際,寄与分の中では一番主張しやすい類型でしょう。

しかし,療養看護型の寄与分が認められるのはなかなか困難です。

まず,家庭裁判所からはいくつかの要件がないとダメだといわれます。

具体的には

① 療養看護の必要性

療養看護を必要とする病状であったことが必要です。ただ単に高齢で介護が必要という程度ではだめです。また,入院していたり,施設に入所していた場合にはその期間は原則認められません。要介護2程度以上(要介護2乃至5)の状態に関する療養看護が必要といわれています,資料として要介護認定通知書や認定調査票が求められます。

② 特別な貢献

被相続人との身分関係において通常期待される程度を超えた特別の寄与が必要です。子供であれば親の面倒を見るのはある程度当たり前というのが家裁の考え方なのです。

③ 無償性

療養看護は無報酬またはそれに近い状態でなければなりません。面倒は見ているけれども,生活費は被相続人から出してもらっているという場合であれば,認められないことが多いです。

④ 継続性

少なくとも1年以上は療養看護をしている必要があります。

⑤ 専従性

仕事のかたわら看護したような場合ではだめで,介護に専念したといえることが必要です。

⑥ 財産の維持または増加との因果関係

療養看護により,付き添い看護の費用の出費を免れたという結果が必要です。

 

なお,寄与をしたのが相続人ではなく,相続人の妻というケースも考えられますが,この場合には特別の寄与があったと認められる可能性は十分あります。

もっとも,療養看護型の寄与分は認められたとしても,遺産全体の20%を超えることはまずありません。

療養看護型の寄与分はめったに認められるわけではないので,この類型の寄与分を主張される方はその点も念頭に置かれた方がいいでしょう。

 

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.23更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

離婚問題で,ヤフーに気になるニュースが載っていました。

 

<福岡家裁>面会拒否で親権変更「父と交流実現のため

離婚などが理由で別居する親と子供が定期的に会う「面会交流」を巡って、離婚して長男(7)と別居した40代の父親が、親権者の母親が拒むため長男と会えないとして、親権者の変更を申し立てた家事審判で、福岡家裁が父親の訴えを認め、親権者を父親に変更する決定を出していたことが分かった。虐待や家庭内暴力が理由で親権者の変更が認められるケースはあるが、面会交流を理由にした変更は極めて異例。(毎日新聞)

 

親権者の変更はお子さんの地位を不安定にしかねないので,虐待や暴力でもない限り,認められることは難しいのが通常です。

それ以外にも,お子さんの意思で非親権者の下にいるような場合であれば認められたケースはありますが,今回のお子さんは親権者である母の下にいたようなので,ニュースにも書かれているように極めて異例な判断でした。

 

今回の件では面会交流がどの程度実現されていたのかやお子さんの真の意思がどのようなものであったのかまでは分かりません。お子さんの真の意思は父親との面会を希望していたのかもしれませんし,その可能性は大いにあります。

ただ,今回の件ではっきりしていることは,家庭裁判所は面会交流をさせない監護親には厳しい態度をとるということです。

私も弁護士として,面会交流をさせたくないという監護親からも,面会交流ができなくて困っている非監護親からもご依頼を受けたことはありますが,ご依頼者様には家庭裁判所の基本的な考え方は常にお伝えするようにしています。

ただ,離婚によって不幸な立場に立たされるお子さんのために,この世でたった一人の父や母との面会はできるだけ実現させてあげたいという思いは常に抱いております。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.20更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

さて,今日は男性である夫の離婚問題について書いてみます。

 

男性は離婚問題になると,ことのほか不利な立場におかれることが多いのが通常です。

夫の方が収入が多いことから,別居中の生活費(婚姻費用)は夫が支払うことが通常ですし,財産も夫の方が多いことから,財産分与においても夫名義の財産を分与するケースが多くなります。

親権の問題でも,母性優先の原則があるため,母親の手元にお子さんがいる場合には,ほぼ間違いなく,親権は妻のものになります。そうすると養育費も払わなくてはなりません。

慰謝料も夫からの請求は認められにくいのが通常です(ただし,不貞など明白な不法行為があれば別ですが。)。

 

しかし,夫側でも,やり方によってはリスクを最小限にして離婚することは可能です。

離婚に合意ができているのであれば,婚姻費用の負担を減らすために早期の解決を図るべきですし,そのために,多少のお金を支払うことは考えておいた方がいいです。

仮に財産をいくらか渡したとしても,離婚成立後に働いて得たお金はもはや誰の干渉もうけることもありません。

 

また,相手方である妻が離婚に応じない場合でも,妻にとって不利な点をうまく利用しながら進めていけば,離婚をすることは可能です。夫が有責配偶者であっても,話し合いで離婚を成立させたこともあります。

さらに,親権の問題も,スタートの段階でつまずかなければ,親権をとることができないわけではありません。

 

逆に,やり方を間違えば,離婚問題は泥沼化します。

私が妻側の代理人をしていて,夫である相手方に代理人弁護士がついていない場合によくあることなのですが,相手方がかなり無茶な主張をしてくるということがあります。例えば,財産があることは明白なのに財産分与はゼロだと主張したり,養育費は一切払わないなどと主張したりします。

はっきり言って,こういうやり方をするのが一番よくありません。

家庭裁判所の実務の運用を知らずに自分の都合のいい主張をしていれば後でしっぺ返しが来ます。

離婚を考えている男性で,悩まれている方は一度ご相談ください。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.18更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

外は寒いですね。今日は雪が積もるかもしれません。

 

さて,ご依頼を受けていた案件でうまい具合に債権が回収できそうな状況になりました。

内容はお金を支払ったのに商品をよこさないので,返金を求めたというものです。こういった案件は往々にして裁判で勝てても,お金の回収にかなり困難を強いられることになります。

相手方はこちらの要求を完全に無視しましたので,裁判を起こすとともに,こちらが把握している預金口座を仮差押しました。

しかし,口座にはほとんどお金がなく,これでは回収の見込みが立ちそうにありませんでした。

だからと言って泣き寝入りするのは理不尽です。

そこで,まずは判決を得て,そのあとでいろいろな手を駆使して相手方の預金口座を突き止めました。

しかも,満額どころか利息も付いてきましたので,依頼者様には大変ご満足いただける結果が得られる見込みです。私もうれしい限りです。

 

債権回収トラブルは一筋縄ではいかないことが多く,場合によってはお金をかけて裁判を起こしても何の成果も得られないことがあります。

お金を貸したのに連絡が取れなくなってしまった,どこにいるか分からないといったご相談を受けることは多いのですが,泣き寝入りしなければならないというケースも多いです。

しかし,今回の依頼者様には私を全面的に信頼していただき,経費がいくらかかかったにもかかわらず,最後までお付き合いいただけました。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.17更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

今日は労働問題について書いてみます。

 

さて,労働問題でよくあるご相談として,何ら思い当たる理由はないのに突然解雇を言い渡されたというケースがあります。

こういった場合,まずは解雇理由証明書の交付を請求すべきです。会社側は,具体的に,どのような行為が,就業規則のどの条項に該当し,解雇理由となるのかを書面の形ではっきり示さなければなりません。

解雇の根拠となっている就業規則の写しが手元にない場合は,就業規則ももらいましょう。

解雇理由証明書の交付請求は早ければ早いほどいいです。

というのも,解雇理由証明書は,後からでも交付を請求できますが,その場合,理由をいくらでも作って入念に作成されてしまうからです。

 

解雇理由がはっきりしたら,弁護士にご相談されることを強くお勧めします。解雇が有効となるためには「客観的に合理的な理由」と「社会的相当性」が必要となりますが,この判断をするには専門家の知識が不可欠です。

また,時間が経てばたつほど,解雇の事実を容認したととられかねませんので,いち早く動かれるべきです。

 

さらに,解雇の効力を争う場合には,退職を前提とした行動をとることは避けるようにしましょう。

よくある話として,解雇予告手当や退職金が振り込まれたがこれを受け取っていいのかというご質問があります。これらを解雇予告手当や退職金として受け取ることは,解雇を容認したと受け取られかねませんので,速やかに弁護士を通じて給料として受け取る旨の通知を送った方がいいです。

 

そして,解雇を争う場合,大きくは二つの方向性があります。

ひとつは,解雇そのものを争っていく方法です。ただ,現実には解雇を言い渡した会社に戻りたいと考える方は少なく,金銭での解決となることが多いです。この場合,ケースバイケースですが給料の6か月分程度が一つの目安になります。

もう一つは初めから金銭での補償を求めていく方法です。ただ,この方法だと,解雇そのものを争うよりも金額的に低くなることがありますので,ご相談者には会社に残りたいという意思がない場合でも,私は解雇そのものを争っていくことを勧めています。

また,解雇を争う方法として,労働審判を使うことも多いです。労働審判は原則として3回の期日内に解決が図られるもので,解決までのスピードも裁判で争うより断然早いです。

 

納得のいかない解雇理由で悩まれている方は是非ご相談ください。

初回30分無料相談を実施しております。

03-6380-4935

担当の水野をご指名ください。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.12更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

今日は交通事故問題について書いてみます。

 

交通事故に遭ったときに保険会社から支払われる示談金には慰謝料が含まれます。そして,慰謝料には入通院慰謝料と後遺障害慰謝料,死亡慰謝料があります。

このうち,後遺障害慰謝料は後遺障害と認定されなければもらうことはできません。

これに対して,入通院慰謝料は後遺障害の有無にかかわらず,もらうことができるものです。

 

ただ,この入通院慰謝料については,知識のない方だと,保険会社が提示する金額をうのみにして示談されてしまうようです。

実は,入通院慰謝料には,保険会社が内部で定めている基準と自賠責保険で定めている1日当たり4200円という基準のほかに,赤い本という弁護士必携の本に記載された,いわゆる裁判基準があります。

保険会社は,通常,示談金を提示するときには裁判基準を提示することはありません。保険会社も営利企業ですから,保険料に見合わない保険金の支払はなるべく避けたいからです。

しかし,弁護士が介入した場合には,裁判基準をベースにした示談というのが一般的です。

したがって,交通事故問題においては弁護士にご依頼するメリットはとても大きいといえます。

 

さて,入通院慰謝料について裁判基準をベースに交渉を進めるとしても,実は,赤い本には別表Ⅰと別表Ⅱというのがあります(別表については,インターネット上で検索するとでてきますので是非ご参照ください)。

赤い本には「むち打ち症で他覚所見がない場合は別表Ⅱを使う」とありますが,ご自身のケースでどちらを使ったらいいのかお分かりでない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一度ご相談してみてください。私は日弁連交通事故相談センターの本部嘱託もしておりますので,表の見方にも習熟しております。

 

また,意外と知られていないことですが,重大な傷害(例えば,脳や脊髄の損傷など)の場合には,別表Ⅰの金額を増額するということもできます。

さらに,交通事故により,解雇,離婚などの社会生活上の不利益を被った場合には特別な加算事由が認められることもありえます。

慰謝料について悩まれている方は一度ご相談ください。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.10更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

今日は遺産分割のお話について書きたいと思います。

 

遺産分割で問題となるトピックの一つに使途不明金問題があります。

これは,いろいろなパターンがありますが,例えば,相続人の一人が被相続人の生前中に,同人の預金口座を管理していたところ,被相続人が亡くなった時の預金残高が思いのほか減っていた時に,他の相続人が,預金はもっとあったはずである,なのにこんなに減っているのは,預金を管理していた相続人が使い込んだのかもしれないなどと主張するようなケースです。

 

相続に関するご相談では,だいたい3回に1回の割合くらいでこの問題にぶつかります。

使途不明金の問題は,遺産分割調停の場で主張することも可能です。しかし,特定の相続人が無断で預金を使ってしまったような場合(なお,被相続人の了解のもとにお金を引き出していた場合には特別受益の問題となりますが,ここでは割愛します。)には,本来,調停とは別に訴訟で解決すべき事項であり,裁判所も何回かは付き合ってくれますが,調停では話がまとまる見込みがなければ,訴訟での解決を促されます。
訴訟となると,ご相談者だけで進めるのはなかなか困難であり,弁護士を立てて進める必要がどうしても出てきてしまいます。また,訴訟だと解決にも時間がかかってしまうというデメリットがあります。


そのため,ここで妥協される方も多いかと思いますが,証拠の収集状況次第では,訴訟でも十分に見通しを立てることが可能です。お手元に十分な証拠がなくても,裁判所を使った証拠収集手段を利用するという手もあります。使途不明金問題で悩まれている方は,一度,ご相談いただければと思います。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.02.07更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。初めまして。

このブログでは日々の出来事で関心を持ったことや皆さんにとって参考になることを書いていきたいと思います。

 

さて,離婚は結婚よりも何十倍も大変だという話はよく聞きます。

しかし,実際に両方を経験した方でないと,なかなかその苦労というのはよくわかりません。

かく言う私も離婚の経験はありませんが,離婚問題を扱ったことは山ほどあります。そこで,離婚を決意された方が苦労するいくつかのことを思いつく限りで書いてみます。

 

離婚をしたいと相手に告げても,相手が話し合いに応じてくれない。
話し合いに応じたとしても,相手は自分の要望ばかり言ってきて,自分の言い分は聞いてくれない。
結果としてなかなか話が進まない。
しかも,お子さんのこと,お金のこと,今後住む家のことなどいろいろと考えなくてはならない。
しかし,あまり人に知られたくない話でもあり,気軽に相談できる相手もあまりいないため,一人でこれらのことを考えていかなくてはならない。

 

考えただけでも離婚をするって大変ですよね。

離婚問題はおひとりで解決できるほど簡単な問題ではありません。

離婚問題について悩まれている方がいらっしゃいましたら,一度弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。きっとお役に立てることがあります。
今回は,ブログの第1回目なので,私が得意としている離婚問題について書いてみました。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之