2015.05.29更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
今日は離婚についての話題です。


離婚の際,婚姻費用や養育費を決めることがあります。
調停を申し立てた場合,家庭裁判所では算定表をもとに婚姻費用や養育費を決めることは多くの方がご存知でしょう。

 

ただ,その後の経済状況の変動があれば,調停などで一度決めた婚姻費用や養育費を変更することは可能です。

 

例えば,婚姻費用の支払いを約束したものの,会社からリストラされたり,会社が倒産してしまい,経済状況が変わってしまうこともあります。

この場合には退職したことが分かる証明書等を提出するとともに,現時点の収入を明らかにする資料を出す必要があります。

ちなみに,多少の収入の変動では婚姻費用の変更が認められることはありません。

 

また,養育費の場合には,権利者や義務者が再婚した場合にも,事情の変動があったものとして金額が増減されることになります。 

例えば,義務者が再婚した場合には,再婚相手に対しても扶養義務を負うことになるため,養育費が減額されることになります。また,再婚相手に連れ子がいる場合,連れ子と養子縁組をすれば,養育費は減額されます(養子縁組をしない場合は連れ子に対する扶養義務はないため,考慮に入れません。)。

 

この場合,生活費指数というものを用いて計算します。


(例)義務者年収800万円 権利者年収200万円 再婚相手年収0円 再婚相手の14歳以下の連れ子と養子縁組 権利者に14歳以下の子が一人の場合

基礎収入割合は一般的に年収の4割とされるので
義務者の基礎収入:800万円×0.4=320万円

権利者の基礎収入:200万円×0.4=80万円

再婚相手,再婚相手の連れ子,14歳以下の子の生活費指数はいずれも55
320万円×55/100+55+55+55=84万円
これを双方の基礎収入で按分するので
84万円×(320万円/320万円+80万円)=67万2000円
月額にすると5万6000円となります。

 なお,再婚相手に収入がある場合には,再婚相手の収入を義務者の収入に加算するという扱いをされることがあります。 

 

もっとも,家事実務では,養育費や婚姻費用の金額の変更は容易には認められません。一度金額を決めた以上,その内容はよほどのことがない限り守るべきだからです。
したがって,婚姻費用や養育費を決める際には,今後きちんと払えるかどうかをよく考えたうえで決めるべきです。

婚姻費用や養育費を決めたが,払えないとお悩みの方は初回30分無料相談をご利用ください。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.27更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

本日は相続についての話題です。

以前,療養看護をしている場合の寄与分は,遺産分割の際,あまり認められないということを書きました。

以前書いたブログはこちら↓

療養看護と寄与分

 

そこで,ご両親の介護を現在されている方に強くお勧めしたいアドバイスがあります。それは,ご両親に遺言書を書いてもらうことです。

亡くなる前にご両親に遺言書を書いてもらうというのはなかなか言い出しづらいことですし,下手すれば関係が悪化することもないわけではありません。

しかし,誰しも,自分が亡くなった後,相続人関で紛争が起こることは望みません。遺言書は相続人関のトラブルをなくすために作られるものですから,作っておいて困ることはないのです。

また,専門家からのアドバイスという形で,ご両親に遺言書の作成を促せば,ご両親も遺言書の作成に前向きになるケースはよくあります。

 

そして,遺言書の作成は必ず専門家を介して行うべきです。というのも,遺言書の作成が被相続人の意思で行われたとしても,遺言書の作成にかかわらなかった相続人は,遺言書の作成経緯に疑念を抱き,余計なトラブルを巻き起こす可能性があるからです。

公証人が関与する公正証書遺言が望ましいですし,弁護士に遺言書の文案の作成をお願いされたほうが,後々のトラブルを避けやすいです。

そして,介護をしている方の相続分を法定相続分よりも多めにすることで,介護をしている事実が相続の際にも反映され,相続人間の公平を図ることが可能になります。

 

介護をされている方の苦労は本当に大変です。その苦労が報われる方法として上記方法は大変有用ですので ,ご両親の介護をされている方は,ぜひ,参考にしていただければと思います。

また,遺言書の文案についてもご相談に応じますので,初回30分無料相談をご利用ください。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.25更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

遺産分割調停の申立を躊躇される理由として,時間がかかることが挙げられます。

確かに,裁判所での話し合いは多くても月1回程度で,すぐに解決というわけにはいきません。当事者が多ければ,話も複雑化しがちです。

 

もっとも,実際には,1年以内に解決するケースが大部分を占めています。以前はもっと長くかかるケースが多かったようですが,最近は,裁判所も時間を短縮するためにいろいろ工夫しています。

実は,長引く原因の大部分は,当事者が実務とかけ離れた主張をして時間を費やすからです。特に,一方当事者に弁護士が就いていない場合にはその傾向が強いです。

裁判所も当事者の主張が多少筋が通っていれば少しは付き合いますが,遺産がほかにもあるはずだとか,使途不明金があるといった主張は早い段階でけりをつけられます。

 

さらに言えば,私の経験上,実務に沿った主張をしてさえいれば,もっと早く終わらせることも可能です。

遺産分割の経験が豊富な弁護士であれば,遺産分割調停はある程度,初期の段階で見通しを立てることが容易だからです。

遺産分割の問題を早期に解決したいのであれば,遺産分割に通じた弁護士にご依頼されることをお勧めします。

 

私も遺産分割の見通しを含めたご相談に応じておりますので,ぜひ初回30分無料相談をご利用ください。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.22更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
財産分与については以前からいくつかブログを書いていますが,今日は財産分与の割合について書きたいと思います。
財産分与についての過去の記事はこちら↓

退職金の財産分与

特有財産がある場合の財産分与

 

財産分与については夫婦双方がどの程度財産形成に寄与したかによって,分与の割合が決められることになります。
かつては,専業主婦ならば3割とか4分の1とかのこともありましたが,現在は,家庭裁判所では2分の1の割合で決着することがほとんどです。これは2分の1ルールと言われています。
原則2分の1を徹底するという考えは,公平にもかなうものであり,たいていのケースでは妥当な判断だといえます。
実際,裁判所では,財産分与の一覧表というものを作成することを当事者にお願いすることがありますが,その表の書式自体が2分の1の割合で分与することが前提となっています。

 

もっとも,2分の1ルールが適用されなかったケースもないわけではありません。


例えば,特殊な才能(芸術家,発明家,金融取引のディーラー,医師,弁護士など)で多額の財産が形成された場合には,2分の1ルールを適用しないケースがあります。

また,財産分与を求める側には資産形成に対する寄与がほとんどなく(例えば,浪費がとても多いなど),ほかにも夫婦共有財産を隠し持っている可能性が否定できないような場合にも,2分の1ルールが適用されなかったケースがあります。
特に,一番最後のほかにも財産を隠しているのではないかという点については,裁判所は厳しい判断をすることがありますから,気を付けた方がいいです。

 

もっとも,こういった2分の1ルールが適用されないケースでは,2分の1ルールを適用しなくても,かなり高額の財産分与が予定されているという背景もありますので,2分の1ルールの適用については安易に考えない方がいいです。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.21更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
遺産分割だけでなく,遺留分でも問題になりやすいのが特別受益です。

 

遺留分は一定の相続人に法律上認められた権利であり,相続人の相続権を一定程度保護しようとするものです。
したがって,特別受益がある相続人がいる場合,特別受益は相続の前渡しとして相続財産に加算される扱いとなり,遺留分算定の基礎となります。公平の観点からは当然の結論といえます。

 

また,特別受益には「持ち戻し免除の意思表示」が認められることがあります。
これは特別受益があっても,被相続人の意思からすると,相続財産に含めないで
相続分を算出することを認めます(ただし,実務上,あまり認められません。)。
しかし,遺留分の算定においては,特別受益の「持ち戻し免除の意思表示」が認められることはないという見解が有力です。遺留分には被相続人に依存していたものの生活保障という側面もあることから,被相続人の意思で遺留分算定の基礎となる財産の範囲が変わるのは妥当ではないと考えられます。

 

遺留分のご相談を受けることもありますが,個人的な印象ですが,遺留分で特別受益が問題となるケースではもめることが多いです。

ただ,遺留分がゼロになるようなケースというのはほとんどないと思います。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.16更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。
離婚事件で裁判所に調停を申し立てたにもかかわらず,ことが有利に運ばない,なかなかうまく進展できないと悩まれている方は多いと思います。
特に,お子さんがいるケースでは,親権者や養育費など問題は複雑になりがちなので,よほど妥協しない限り,順調に事が運ぶことは難しいと言わざるを得ません。

 

こういったときどういった視点をもって進めるべきかですが,まず,第一に考えなくてはならないのは 「離婚事件の一番の被害者は子供である。」ということです。
離婚当事者については,結婚相手を自ら選んだうえで一緒になったのであり,自己責任と言えなくもないですが,お子さんは親を選ぶことはできません。
お子さんはご両親が仲良くしていてほしいと常に願っています。
離婚をすることがお子さんにとって本当にいいのか悩ましい時もありますし,実際そういう悩みをお持ちの方の相談を受けることも多いです。

 

お子さんの立場にたって考えるといろいろなことが見えてきます。
お子さんの目の前で,ご両親が夫婦喧嘩を重ねれれば,お子さんも嫌な気持ちしかしないでしょう。
また,親が自分も置いて家を出ていかれたら,その喪失感,ショックは相当大きいです。

 

家庭裁判所も何はさておき,お子さん目線で考えます。
ですから,離婚調停でうまくいかないなと感じたときは,お子さんの目線に立ったらどう進める方がいいかをお考えになられてみるといいと思います。傷ついたお子さんがこれ以上傷つくことがないように配慮していくこと,これがことがうまく運びやすい一番のポイントです。

 

もし,それでも,いい解決方法が思い浮かばないようでしたら,離婚事件の相談を数百件以上受けてきた当職に一度ご相談ください。初回30分無料相談を行っております。
03-6380-4935
弁護士水野をご指名ください。

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.14更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

交通事故でむち打ち症となるケースは非常に多いです。

むち打ち症では頸部の損傷に伴って痛みだけでなく,しびれ,知覚障害,めまい,吐き気などの症状が生じることがあります。

ただ,見た目にはどこが悪いのかはっきり分からないことから。後遺障害等級認定において非該当の認定を受けることが多いケースでもあります。

 

むち打ち症で後遺障害の等級認定がなされるとすると,12級13号の「局部に頑固な神経症状を残すもの」か14級9号の「局部に神経症状を残すもの」のいずれかに当たるという評価がされています。

ちなみに,後遺障害の等級認定においては,労災認定必携という書籍を参考にして判断されています。

これによれば,前者(12級13号)は症状が神経学的検査結果や画像所見などの他覚的所見により医学的に証明できるもの,後者(14級9号)は受傷時の状態や治療の経過などから連続性・一貫性が認められ,説明可能な症状であり,単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるものを言います。

 

そして,14級が認定されるためには①一貫して同じ症状を訴えていること,②通院を半年程度連続して行っていること,③症状固定時における神経学的検査において陽性反応があることなどが必要です。

ただし,これらの要件のいずれかが欠けていても,事故態様の重大性,治療内容次第では14級と認定されることは可能です。

 

また,12級が認定されるためには,MRIの画像により神経根の圧迫が確認できることや自覚症状に一致する他覚的所見が複数存在し、これらが相互に一致することなどが必要となります。

 

むち打ち症でも後遺障害の14級や画像等の他覚的所見次第では12級と認められることも可能です。後遺障害として認められれば逸失利益や後遺障害慰謝料の支払いが受けられますから,決して諦めることはありません。

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.12更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

今日は台風で外は激しい雨が降っています。お帰りの際は気をつけてください。

 

さて相続で必ず発生することになる葬儀費用ですが,遺産分割をするときには注意が必要です。

葬儀費用とは具体的には,棺や祭具など葬式場設営にかかる費用,火葬,通夜や告別式の参列者の飲食費用,納骨などに要する費用です。

 

これらの費用は相続開始後に発生するものなので,厳密な話をすると,遺産分割の対象には含まれません。つまり,どういうことかというと,葬儀費用は相続人全員が必ず負担しなければならないというものではないということです。

そのため,葬儀費用については祭祀承継者(いわゆる喪主)が負担するという考え方も成り立ちえます。実際そのように判断した名古屋高裁の裁判例もあります。

ただ,多くの場合は,相続人全員の合意の下,遺産から葬儀費用を捻出しています。

 

もっとも,喪主とならず,葬儀にも参列させてもらえなかった相続人は,葬儀費用の負担を拒絶するようなケースもありますので,当たり前のように,遺産から葬儀費用を捻出するのは気を付けた方がいいのです。

 

また,同じ問題は香典にもあります。

香典は葬儀費用の負担を軽減する相互扶助の目的で祭祀承継者に贈与された金銭と考えられています。

そのため,香典の金額が葬儀費用および香典返しの額を上回る場合の差額は喪主が取得することになります。

ただし,相続人全員の合意があれば葬儀費用の計算に組み入れることは可能です。

 

 

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.11更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

 

性格の不一致では離婚はできませんということはよく言われています。

ただ,性格の不一致と言っても多種多様です。文字通り,性格が合わないという程度であればそれだけで離婚が認められることはありませんが,性格の不一致に伴って別居が続いているとか,生活費が支払われなくなったなどの事情があれば離婚は認められやすくなります。

また,そこまでの事情はなくても,喧嘩が絶えず,修復の可能性がなければ離婚は認められやすいです。

 

私が相談を受ける時には,性格の不一致のような抽象的な言葉で濁すのではなく,できる限り具体的な事実をお伺いするようにしています。
実際,詳しく話を聞いていくと,性格の不一致だけでなく,それ以外の問題もいろいろと浮き彫りになってくることが多いです。

 

また,離婚原因においてより重要視されているのは,小さなお子さんを養育しているかとか,離婚を求められる側が,離婚により住む場所がなくなったりして生活ができなくなってしまうなど極めて過酷な状況に立たされるかだと私は思います。こういった場合には離婚が認められない可能性が高いです。
常識的な判断がされていると言っていいでしょう。


性格の不一致で離婚が認められるかどうか悩まれている方は一度ご相談ください。

なお,別居が長期続いている場合は離婚が認められやすいです。この点については以前ブログに書きましたのでご参照ください↓。

離婚が認められる別居期間

投稿者: 弁護士 水野 智之

2015.05.08更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

GWも明けて業務を再開しましたので,ブログも再開いたします。

 

さて,交通事故に遭われたものの,お仕事の都合などで交通事故後ただちに受診できないケースや,治療を途中で中断してしばらくしてから再開するといったケースがあります。

この場合,初診の遅れや治療を中断していた理由について。きちんと説明がつくかどうか,他の既存の傷害があったかどうかなどをもとに,交通事故と怪我との因果関係があるかどうかが判断されることになります。

 

まず,初診についてはなるべく早く(できれば交通事故当日に)行った方がいいです。

確かに,交通事故直後はたいしたことがないとか,週末で病院も空いてないからと思って,病院に行かなかったが,だんだん痛くなってきたので病院に通ったというケースもありえるでしょう。

しかし,初診が遅くなればなるほど,保険会社は治療費の立て替え払いをしてくれない可能性が高いです。そうすると,保険証を使ったとしても,治療費のいくらかは自己負担せざるを得なくなります。

目安としては,初診は交通事故の日から1週間~10日前後までには行っておくべきです。たいしたことがないと思っても,医者に通っておけば何か問題が生じたとき対処できますので,できる限り通院治療は早めに行いましょう。

 

また,通院後になんらかの事情で治療が中断することもあります。

しかし,中断の期間が長くなればなるほど交通事故との因果関係は認められにくくなります。また,治療の中断は後遺障害の認定においても不利となりますのでできれば避けた方がいいです。

怪我の症状にもよりますが,1か月程度の中断が限界と考えた方がいいでしょう。過去の裁判例では3か月半もの中断期間でも認められた例はありますが,特殊なケースといっていいでしょう(中断前も含め治療費が全く払われていなかったケース)。

 

通院はまめに行かれた方が,あとあとの損害賠償にも有利に働きます。 

↓以前にも書きましたが,治療期間の長さが,入通院慰謝料の金額の多寡にも影響してくるのが実務の運用です。

実通院日数が少ない場合の慰謝料

 

交通事故事件の場合は着手金無料でお引き受けできますので,ぜひご相談ください。

03-6380-4935

弁護士水野をご指名ください。

投稿者: 弁護士 水野 智之