2015.04.17更新

新宿区四谷の弁護士水野智之です。

財産分与でよくあるケースとして,婚姻前から有していた財産,婚姻中に親族から受けた贈与や相続によって承継した財産がある場合があります。

これらは特有財産と言って,財産分与の対象から外れます。

 

問題は特有財産と立証できるかどうかなのですが,これは特有財産であると主張する当事者が立証しなくてはなりません。

婚姻前から持っていた預貯金とかであれば分かりやすいですね。ただ,普通預金のように出入りが多いものについては,特有財産と認められないケースもあるので注意しなくてはなりません。

 

また,婚姻中に得た財産については夫婦共有財産であると推定されます(民法762条)。

そのため,贈与や相続によって得た財産については,証拠がなければ財産分与の対象に含まれることになってしまいます。

贈与契約書や遺産分割協議書があれば問題ないですが,特に前者はないことが多いですから,預金通帳などで具体的にお金の流れが証明できるようにしておかなくてはなりません。

 

また,不動産を購入するときに,頭金を親族からの贈与等によって捻出することがよくあります。

この場合,具体例を挙げて説明すると次のようになります。

 

(例) 購入時3000万円 夫が親族から受けた贈与(頭金)300万円 住宅ローンは完済済み 財産分与時の評価は2000万円

 

親族から贈与を受けた金額300万円は3000万円の1割に相当します。

これを現在の評価額に引き直して計算すると,2000万円の1割は200万円に相当します。

したがって,200万円が夫の特有財産となり,2000万円から200万円を差し引いた1800万円が財産分与の対象となるのです。

 

財産分与については以下の記事もご参照ください。

退職金の財産分与
離婚と住宅ローン(財産分与の問題)

投稿者: 弁護士 水野 智之